今回は、セリング・クライマックスについて解説していきます。
特にFX初心者・中級者の方は、あまり理解されていない方が多いと思うので、この機会に学んで頂ければ幸いです。
本記事を読めば、一流トレーダーが「どのようにテクニカル分析を駆使して、FXトレードをしているか?」など、未来の相場をイメージする大切さを理解できます。
では、まずはセリング・クライマックスの意味についてお伝えします。
簡単に読む目次
セリング・クライマックスとは?
セリング・クライマックスとは?
セリング・クライマックスとは、英語で(Selling Climax)といい、外的要因や投資家達の総悲観状態になったタイミングで起こる劇的な暴落のことを指します。
「セリング=売り」「クライマックス=(大底)」略して“セリクラ”と覚えておけば忘れないのでオススメです。
過去の相場では、リーマンショック、コロナショック、ライブドアショックなど、大暴落と言われた時期の最終局面で見られることが多いです。
世界中の経済が不安定で相場全体が急激な落ち込みを見せると、セリングクライマックスは必ずと言っていいほど発生します。
「まだはもうなり、もうはまだなり」という相場格言がある通り、買い手が不在だと、売りが売りを呼び、その連鎖から大暴落が始まってしまうのです。
なので、「もう下がらないでしょ」と思ったら下がり続け、「さすがにもう止まるでしょ」と思ったらさらに下がり続け、「もう大底でしょ」と思っても急落し続けます。
したがって、相場が不安定の時は逆張りはせず、「セリングクライマックスが来るかもしれない」と逆にチャンスだと考え、その波に素直についていくことをオススメします。
セリング・クライマックスが起こる原因とチャート心理
セリング・クライマックスは、市場心理として、売りが売りを呼び大暴落にが起こる仕組みです。
では、どうして普通の相場なのに、いつもより増して売りが売りを呼んでしまうのでしょうか?
それは、相場のチャート心理の動きに原因があるからです。下記で詳しく解説します。
セリング・クライマックスが起こる原因 | ||
段階 | チャート心理(買い目線) | チャート心理(売り目線) |
①下落初期 |
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②下落中期 |
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③下落後期 |
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④セリングクライマックス |
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⑤反発 |
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こんな風に、買い目線の人、売り目線の人の市場心理をお伝えしました。
下落初期は誰もセリクラだとは分かりませんが、下落中期→下落後期の急な下りから市場心理が大きく影響を受け、セリング・クライマックスが起こるのです。
要するに、セリクラが起こる大きな原因は、「売り目線の場合も、買い目線の場合も、両者共に売り注文が大量に出てくる」ということです。
すると、急にチャートが下降して売りが売りを呼び、買い目線の人は損切りし、売り目線の人はさらに追加の売りポジションを入れるため、大量に売りが入るのです。
そして、最終的には売り注文の利確などが相次ぎ、売りの注文が減少し反発していく流れがセリングクライマックスの流れです。
セリング・クライマックスが起こるタイミング
では、セリング・クライマックスはいつどんなタイミングで訪れるのでしょうか。
実はいつセリング・クライマックスが来るのか?については、“誰にも分からない”のが実際のところです。
なぜなら、至って普通の日に予兆も無い段階で、突如としてセリクラが来るからです。
具体例
例えば、上げて始まり、直近高値を悠々と超えそのまま上昇トレンドに入ったと思いきや、いきなりセリングクライマックスが来ることもあります。
また、下げで始まり徐々に下がって行きながらも、レンジ相場が続いていると思ったタイミングで、セリングクライマックスが来ることもあります。
なので、自分の直感だけで「これはセリクラになったかもしれない」と判断し、大きな売りを入れるのは大変リスクが高いことです。
まるでビルの頂上から落ちてきたナイフを、素手で掴むようなイメージです。
セリング・クライマックスをチャンスにする方法
セリング・クライマックスをモノにするには、一度大きく落ち大底から徐々に買いが入り、上昇を確認したところで買いを入れるのがベスト。
なぜなら、セリクラが起きて大底をつけると、急にチャートが上昇してくるので、全戻しすることもよくあるからです。
というのも、多くの投資家やトレーダーが売っている時こそ買い時であり、下落相場の最終局面はその売りを飲み込むように買う投資家も増えてきます。
買う投資家が増え続け出来高が膨らみ、売りが止まったタイミングで一気に上昇トレンドへと転換することは良くあることです。
したがって、セリクラが起こるタイミングが分からないなら、落ち切った後に狙いを定め買いを入れるた方が、リスクなくトレードできるでしょう。
また、”大きな下落相場で出来高が膨らんできたタイミングは転換のサイン”であることも多いので抑えておきましょう。
補足
ちなみに、急に落ちてくるチャートに飛び乗ることも危険なので、セリクラに乗れなかった人は無理にエントリーせず、静観するのも一つの手段です。
まとめ:セリング・クライマックス
今回は、FXで起こるセリング・クライマックスについて解説してきました。
セリクラは、いつどのタイミングで起こるか分かりません。
偶然売りを入れていた人が爆益になることもあれば、逆張りロングで大損をこいてしまう方もいらっしゃいます。
とはいえ、大きな売りが出ているタイミングはチャンスですから、「乗り遅れちゃったけど、どうしても入りたい」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方はロットを落として「負けてもいいや」くらいの気持ちでトレードするようにしましょう。
また、下落相場で一気に下落が加速したからといって、「セリング・クライマックスが来た!!」と安易に決めつけ、勢いで売りのエントリーをしてはいけません。
年に数回しかセリング・クライマックスは起こりませんから、テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析などを行い、情報を複合的に集め判断することが大切です。