- FXトレードの波動の種類って何?
- チャートのパターンって何がある?
- 値動きのサイクルを理解したい!
こんな風に、疑問を抱き本記事まで辿り着いたと思います。
特にFXトレードで勝っていく上では、波動の種類はしっかりと理解しておく必要があります。
なぜなら、トレード心理というのは波動に隠されているからです。
そこで今回は、エリオット波動を形成する要素の波動について、具体的に解説していきます。
波動を把握できれば、多くの人が意識しているポイントやトレードの見直し、さらには勝率を高めることができます。
この際に波動を理解して、トレードスキル の向上をするいい機会にしてください。
では早速ですがまいりましょう!
簡単に読む目次
FXトレードの波動の種類!チャートの波の形を把握しよう
下記の順番でFXの波動の種類や特徴を詳しく解説していきます。
FXの波動の種類
- エリオット波動
- N波動
- I波動
- V波動
- S波動
- E波動
- P波動
- Y波動
FXの波動の種類 ❶ エリオット波動
エリオット波動とは、米国の有名アナリストである、ラルフ・ネルソン・エリオットが1000年単位の歴史の周期を研究し導き出した理論です。
具体的には、「値動きは一定の規則性をもって、上昇と下降を繰り返し行っている」ということです。
チャートに置き換えると、「上昇5波・下降3波」という値動きのサイクルのことを指します。
「上昇5波・下降3波」とは?
- 上昇→下降→上昇→下降→上昇=上昇5波
- 下降→上昇→下降=下降3波
という調整相場が続くことを「エリオット波動」=「上昇5波・下降3波」と言います。
初めの上昇5波=「推進波」。後の下降3波=「修正波」とも呼びます。
エリオット波動に関しては、相場の本質を捉えるための波動ですので、FXトレードにおいて一番重要な理論です。
相場の本質を理解できるようになれば、徐々に勝率が高まってきたり、トレードの見直しもできるようになります。
では下記で、エリオット波動の要素を形成する、具体的なFXトレードの波動をお伝えします。
FXの波動の種類 ❷ N波動
N波動とは、その名の通りN字の形に波が進むことを言います。
では、なぜN波動を形成するのでしょうか?
それは、為替には売買サイクルがあり、買いが増すとそれと同時に売りも増すからです。
つまり、買いが買いを呼びチャートが上がり、反対に売りが売りを呼びチャートが下がる。
トレンドの基本的な知識なので、必ず覚えておきましょう。
N波動のポイント
ある程度チャートが上昇すると、買いポジションを持っていたトレーダーは含み益になり利確しようと考えます。
今度は利確を確保しようとするトレーダーが決済し、決済が決済を呼びチャートの上昇の勢いが落ちていく。
すると、価格が下がり始め、次に売りを狙っていたトレーダーが売りを仕掛け、売りが売りを呼びチャートは下がってく。
そして、売りポジションを持っていたトレーダーは含み益になり利確し、決済が決済を呼び、またチャートは上がっていく。
この流れがN波動の典型的なサイクルの例です。
つまり、押し目を付けるプロセスの連続が、N波動を形成するのです。
FXの波動の種類 ❸ I波動
I波動とは、通貨が何かしらの理由で急騰したり、急落している一方向に強いローソク足のことを言います。
I波動が出た後は3つのパターンに分けられます。
1つ目は「急騰」or「急落」した後、“保ち合い相場”を形成し、数日から数週間レンジ相場になるパターン。
2つ目は「急騰」or「急落」した後、「徐々に上昇」or「徐々に下降」し、さらにI波動を形成するパターン。
3つ目は「急騰」or「急落」した後、「V字」や「逆V字」を形成し、勢いよく下降・上昇していくパータン。
I波動のポイント
I波動が起こると、相場は混乱状態に陥ります。
「急騰したから急落するのか?」「保ち合い相場になるのか?」「さらにI波動を呼ぶのか?」とトレーダーは考える。
なので、I波動が起きたら、いいタイミングで利確する。もしくは、損失が出ているなら損切りすることをオススメします。
なぜなら、I波動は次に何が起こるのか?想定ができないからです。
「V字もしくは逆V字を形成すれば、損失が無くなるかもしれない…」という思惑は、結果論に過ぎません。
もしも損切りできなければ、ますますチャートが上昇・下降を続ける可能性もあるため、I波動が出たら注視しましょう。
FXの波動の種類 ❹ V波動
V波動とは、I波動が出た後に反転し、さらにI波動を形成し、チャートがV字を形成することを言います。
よく企業の利益が「V字回復した」と聞いたことがあると思います。そのV字をイメージすれ分かりやすいでしょう。
一方で急騰後に急落すると、「逆V字」や「行ってこい」などと言われています。
V波動は、N波動を形成する要素の一つなので、I波動やV波動が続くとN波動を形成し、トレンドが形成します。
つまり、その連続でエリオット波動になるのです。
V波動のポイント
V波動を形成すると、多くのトレーダーは「いずれN波動を形成し、トレンドが出てくるのでは?」という思惑が働きます。
トレンドラインを引くことで、テクニカル分析から、買いエントリー・売りエントリーの目安が付くようになります。
なので、チャートでI波動が出てきたら、「次はV波動を形成する」「そして、次にN波動を形成する」とイメージしましょう。
つまり、「I波動→V波動(逆V波動)→N波動」この流れを把握していれば、トレンドを読みやすくなります。
FXの波動の種類 ❺ S波動
S波動とは、高値更新(安値更新)をした後、戻しの動きがあった時、前回のサポートライン・レジスタンスラインに反発し、高値更新(安値更新)をするチャートの形です。
特にS波動は、「I波動→V波動→N波動」を形成した後にでる波動であり、エントリーポイントになるので非常に大切な波動です。
強いトレンドが出ている時に形成されやすい波動なので、トレンドの波に乗りやすいです。
S波動のポイント
例えば、上記の画像でXが高値になりました。ここはレジスタンスラインになります。
そして、後にXを上抜けし、直近で下がってきたポイントがサポートラインYになります。
ここで一本のネックラインZを引くと、ネックラインにチャートがぶつかって、反発する動きが出てきます。
これが典型的なS波動です。
Xのレジスタンスラインをブレイクする動きが強ければ強いほど、その後Yのサポートラインで反発が強くなりやすいです。
なぜなら、大量の買いが入っているため、全世界のトレーダーは次の買いのポジションを狙っているからです。
もしも、Yを下抜けるとレジスタンスラインになり、次のS波動を形成する動きになる。もしくは、逆の波動を形成していきます。
FXの波動の種類 ❻ E波動
E波動とは、N波動に似ている形をしていますが、N波動を思いっきり伸ばしたような「伸びる波動」のことを指します。
特徴的なのは、E波動は「1波動目よりも3波動目の方が長い」といった特徴があるので、覚えておきましょう。
E波動を見つけるコツは、「2波目の戻りがしっかりと戻しているか否か?」で判断します。
E波動のポイント
1波動目の半分、もしくは60%近く2波動目が戻しているなら、そのあとの3波動目は、3倍近く伸びる可能性があります。
なので、S波動とE波動を把握し、インジケーターのフィボナッチを利用し、60%近く2波動目が戻してきたら、エントリー根拠にするのがオススメです。
また、トレーダーの多くはエリオット波動を駆使してトレードする場合が多いので、5波動目が出たら反転しやすいということも忘れずに。
転換する可能性が高いのであれば、S波動とE波動が出ていてもエントリーせず静観しておくことも大切です。
そうすれば、エントリー回数やチャンスは減りますが、騙しに遭う確率は減ります。
FXの波動の種類 ❼ P波動
P波動とは、「ペナント型」や「三角保ち合い」とも言われており、波動が徐々に収束していく形が特徴的です。
このP波動は、N波動やS波動といった高値や安値を比べるというルールは無く、上に行くか?下に行くか?全く分かりません。
言ってみれば、ギャンブルに近い波動なのがP波動なので、この波が出てきたら静観するようにしましょう。
P波動のポイント
P波動が出てきてしまったら、一旦トレードはやめて見守るようにしてください。
一説にはトレンドの継続と判断する場合もありますが、チャートの形だけで判断するのは浅はかな考えなので危険です。
急にI波動を形成する場合が多く、(暴騰・暴落)になる可能性が高いので、無理にトレードしない方がいいでしょう。
もし、P波動(三角保ち合い)でエントリーしたいなら、ブレイクした後に順張りでエントリーすることをオススメします。
FXの波動の種類 ❽ Y波動
Y波動は、上記でお伝えしたP波動の逆のチャートの形で、「逆ペナント」「逆三角保ち合い」「ブロードニング」と言われています。
P波動では徐々にチャートが収束に向かいましたが、Y波動はその逆で、徐々にチャートが広がりを見せていきます。
Y波動のポイント
FXトレードにおいて、Y波動が出てきてしまったら、上に行くか?下に行くか?全く予測が付かないので、トレードを避ける方が多いです。
どんなテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析をしたとしても、予測が付かないので、トレードしないことが最善策。
先述でお伝えしたP波動同様、Y波動が出てきてしまったら静観するもしくは、順張りを狙うことをオススメします。
FXトレードの波動の種類を理解しエントリー根拠を作ろう
FXトレードにおいて、波動を理解することは非常に大切なことです。
なぜなら、波動はエントリー根拠になる上に、相場から危険信号を察知できるからです。
例えば、
「レジスタンスラインを上抜けした。2波動目のサポートラインがチャンスかもしれない」
「2波動目の戻しが60%くらいだ。次は上昇してくるかもしれない。エントリーしよう!」
「P波動(三角保ち合い)が出ている。これは危険信号だ。トレードしないようにしよう」
「エリオット波動が出ている。上昇の最終目の5波動だ。次は下降してくるかもしれない」
- なぜここで利確するのか?
- なぜここで損切りするのか?
- なぜここで静観するのか?
と、相場の心理を把握することはFXトレードでとても役立ちます。
波動を意識できるようになればなるほど、それだけエントリーポイントを見つけやすくなるのです。
また、「ここで戻しが強くなりそう」「ここは多くの人が意識しているポイント」という箇所を見つければ、トレードの見直しができるようになり、勝率は高まっていくでしょう。
相場の心理を理解するには波動を把握することから始まるので、今後トレードで勝っていくためには、無意識レベルで波動を理解する必要があることを覚えておきましょう。
「I波動が出ているから、次はV波動を形成し、N波動になってトレンドラインが出てくる」