- FX相場って季節的要因てあるの?
- 春・夏・秋・冬と何が違うの?
- どのように何をチェックするべき?
こんな風に、疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。
実はFXの相場では、季節ごとによってチャートの傾向や、年間を通じて意識しておくべきイベントなどがあります。
相場が大きく動くことを予め理解しておけば、上手に逃げることも、波に乗って利幅を広げることだってできます。
なので、FXでは季節的要因を理解しておくことが非常に大切になります。
そこで今回は、FX相場の季節的要因とアノマリー(矛盾する金融市場の価格およびリターンのねじれ現象)について詳しく解説します。
では早速ですがまいりましょう!
簡単に読む目次
FXの相場に影響を与える「季節的要因」月別&季節別
1月
1月は例年為替相場は、アノマリーに反してチャートが上下に激しく動くケースが多いです。
また、年末年始も為替相場は普通に動いており、1月1日はどの国でも休場になります。
1月の為替相場
- 1月は為替相場ではチャートが激しく動く
- 1月は比較的に円高傾向のケースが多い
- 1月は12月の動きの逆に推移する場合が多い
- 1月は高値・安値を付けやすい
2月
2月の為替相場は、株もFXも値動きが鈍くなる時期と言われています。
なぜなら、1月で激しくチャートが動いた分、2月は落ち着きを見せているからです。
また、2月は例年、円高になる確率が高いです。
なぜなら、2月は米国債の償還・利払いがあったり、債権の満期日に債権保有者に額面金額を払い戻さなければいけません。
米国債は2月、5月、8月、11月と四半期ごとに償還期限がありますが、特に2月と8月のいわゆる“ニッパチ”は大量に償還期限が訪れます。
2月の為替相場
日本の投資家は、米国債保有残高が大きいので、大量の償還された米ドルが円に換えられることによって、円高圧力が加速します。
ちなみに、米ドルが口座に入ってから円高になるのではなく、利払い日の前数日から円高ドル安になる場合が多いです。
3月
3月の為替相場は、多くの日本企業が決算期に突入するため、外国で商品を販売して外貨を保有する企業は決算に向けて、外貨を円転するケースが多いです。
特に米ドル円では売りの圧力がかかる月となります。(円高要因となりやすい)
3月の為替相場
現在円安にいるのであれば多めに円転していき、3月の決算月に至るまで、円安にいる時間が長ければ、ある程度円転は済んでいることになります。
一方で円高の時間が長ければ円転できないことになるため、積み上がった外貨の円転圧力が3月末日に向けて高まっていきます。
なので、3月は円買いの圧力(円高)を予測することになります。
4月
4月は多くの日本企業の決算期の初めなので、円安の動きになりやすい傾向があります。
また、ゴールデンウイークの最初の週もあるため、海外旅行需要で円安要因になりやすいです。
4月の為替相場
海外ではイースター休暇(4日間程度・日時は流動的)もあります。
4月は新年度として、新たな投資が生まれやすいため、流動的に値が動きやすいです。
5月
5月の為替相場は、ドル安・円高圧力が強まる傾向があります。
なぜなら、5月は「Sell in May:5月に株を売り抜けろ」という相場格言があり、現実社会でもその傾向があるからです。
当然株が売られれば、ドル安・円高になります。
5月の為替相場
また、為替が動く要因の一つに、米ヘッジファンドの「45日ルール」も挙げられます。
ヘッジファンドの解約は、決算日の45日前までに通知する必要があり、6月の決算の45日前に高まるという要因も挙げられます。
6月
6月の為替相場は、欧米企業の四半期決算が行われます。
6月の為替相場
3月の決算期ほどではありませんが、アメリカの10年金利で年間の天井や底を付けやすい時期です。
7月
7月はアメリカではバカンスに入る前に、ボーナスで株を購入する投資家が多いです。
そのため、7月4日の独立記念日から9月第1月曜日のレイバー・デーまで、株が上昇しやすいです。
7月の為替相場
7月の為替相場は、夏休みで市場は閑散とする傾向がありますが、場合によってはアメリカ株が買われて上昇し、日本株も上昇することで円安に動くことが多いです。
8月
8月はサマーバーケーションを取る機関投資家が多く、8月第一週の雇用統計から、8月中旬頃まで取ることが多いです。
よく8月は“ニッパチ”の8月なので「夏枯れ相場」と言われ、取引量が減少する傾向があり円高傾向になりやすいです。
8月の為替相場
アメリカでは国債大量償還をニッパチの2月と8月に行われるので、グッと取引量が減ります。
そして、受け取った利息や償還したアメリカ国債を日本円に換えるため円高になりやすい。
9月
9月の為替相場では、「夏枯れ相場」後なのでトレンドが発生しやすい傾向があります。
9月の為替相場
9月は3月決算企業の中間決算。
3月ほどではありませんが、海外にある資金を自国内に戻す動きが活発になり、円を買い戻すこと(円転)になる可能性が高くなります。
10月
10月は、日本企業の下期の決算が始まります。
米国株が下がりやすく、底を打つと言われており、10月は9月の流れが続きやすいです。
20年間の相場の傾向としては、1年で最も円高になる確率が高い月。
なので、売買が頻繁になり、上に行ったり下に下がったりと、激しい値動きになりがち。
10月には何かしら大きなことが起こる可能性がある。それは歴史が物語っています。
10月の為替相場
- 世界大恐慌(暗黒の木曜日)
=1929年10月 - ブラックマンデー(暗黒の月曜日)
=1987年10月 - ハロウィン緩和(黒田バズーカ2)
=10月 - 第4次中東戦争(トイレットペーパー買占め)
=1973年10月 - 世界同時株安(アジア通貨危機)
=1997年10月 - ロシアの財政危機でLTCMが破綻
=1998年10月 - アイスランド危機(非常事態宣言)
=2008年10月 - リーマンショック後に株価大暴落
=2008年10月
歴史を振り返ると、このような背景が10月には頻発しているので、為替取引には慎重になりましょう。
11月
11月の為替相場は10月の流れが終わり、一度ポジションを整理して年末に向けた動きが始まります。
比較的に安定した値動きになりがちです。
11月の為替相場
5月と同じく、12月に決算ヘッジファンドの「45日ルール」による取引も起こるため相場状況調整の可能性が高いです。
12月
12月の為替相場は欧米では長期のクリスマス休暇を取る方が多く、市場参加者が減少します。
また、12月決算企業がアメリカには多いので、休暇前に利益を確定させて1年が終わったと考える投資家が多いようです。
12月の為替相場
閑散とした市場は「早く手仕舞いしたい」という感情から、為替相場は荒れやすく、急にチャートが上に行ったり下がったりと乱降下が激しい。
また、アメリカの投資家達は、外貨を売って米ドルで買うため、ドル高円安に働く場合が多いです。
その他のFX相場の季節的要因
上記でお伝えした、相場が動く季節的要因はあるので抑えておきましょう。
米大統領選
米大統領選では大統領選への期待から、米国株のNYダウは上昇傾向にあります。
トランプ大統領が決まった時は、長期的に円安の流れになりました。
2020年の大統領選でバイデン大統領が決まりましたが、同じくNYダウは上昇傾向にあります。
月末日のロンドンフィキシング前
ロンドンフィキシングとは、ロンドン市場の値決めのことを言い、金の取引価格を決定します。
ロンドン時間の16時(夏時間は15時)。日本時間の午前1時(夏時間は午前0時)に行われます。
特にポンドの値動きが活発になるため、クロス円のポンド円はチャートが動く傾向にあります。
そして、ポンドドルなどが上昇しやすく、外国為替相場に大きな影響を与えるとされています。
戦争
戦争に国が巻き込まれたり、国内で紛争が起きてしまい政治が不安定になると、その国への投資を控える方が増えます。
そのため、為替相場は下落しやすいです。
実際にはこれらの要因だけではありませんが、様々な要因が複雑に絡み合い変動しています。
FX相場には季節的要因が影響するが参考程度に…
今回お伝えした、FXの為替相場に影響を与えるとされる「季節的要因」は、あくまでも経験則なので、参考程度にしてください。
なぜなら、このような月や季節ごとの傾向は、強い年もあれば、全く別の動きをする年もあるからです。
それにあまりにも季節的要因を意識してしまうと、相場を見る視点が凝り固まり、柔軟に判断できなくなってしまうからです。
なので、季節的要因は「へ〜そのような傾向もあるんだ〜」という具合で、頭の片隅にしまっておきましょう。
為替の動きは毎日必ず、チェックする習慣を付けることが大切です。