『FXは何を見るの?』為替相場と相関関係が働く具体的指標とは?

為替相場は何かしらの外的要因によって、上がったり下がったりを繰り返します。

なので、「ある通貨ペアが上昇すれば、他の通貨ペアも上昇する」ことはよくあることです。

ですが、何が原因で通貨に影響を与えるのか?具体的に見るべき指標とは何なのか?気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、為替相場と相関関係が働く要素について詳しく解説していきます。

では早速ですがまいりましょう!

為替相場と相関関係が働く要素とは?

  1. 米10年債
  2. ドルインデックス 
  3. ダウ平均株価
  4. 日経平均株価
  5. 原油
  6. ゴールド

1. 米10年債(US10Y)

米10年債とは?

一般投資家が、アメリカの企業に10年間お金を貸すときに受け取る金利のことです。

為替レートと二国間の金利差には密接な関係があり、金利の高い国の通貨は強く、金利の低い国の通貨は弱いです。

そこでもっと重要なのは、為替レートと金利差の変化です。

金利差が拡大すると金利の高い国の通貨が上昇し、金利差が縮小すると金利の低い国の通貨が下落します。

例えば、米ドル円についてお伝えすると、アメリカは日本の金利を上回っており、米長期金利が上昇するとドル円相場は上昇する傾向があります。

一方で米10年債が下降すると日本円が買われ、ドル安円高になる確率が高いです。

なので、ドル円相場でトレードするなら、「米10年債」のチャートをチェックしながら、ドル円相場をチェックしましょう。

ポイント

❶ 米10年債の金利が低下→円が買われドルが売られる→円高ドル安傾向

❷ 米10年債の金利が上昇→円が売られドルが買われる→円安ドル高傾向

2. ドルインデックス(DXY)

ドルインデックスとは?

ドルインデックス は、円、ポンド、スイスフラン、ユーロなど、複数の主要通貨に対する米ドルの価値を指数化したものです。

ドルインデックスの指標数値が高いと主要通貨に対して米ドルが買われていることを示し、数値が低いと米ドルが売られていることを示します。

ちなみに、ドルインデックスはアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)や国際決済銀行(BIS)、インターコンチネンタル取引所(ICO)などの組織が算出しています。

そのため、各組織のドルインデックスの違いは、通貨の種類や割合などが挙げられます。

とはいえ、米ドルの大体の方向性を確認するには、どのドルインデックスのデータでも大きな問題は生じないので心配しなくて大丈夫です。

ポイント

❶ ドルインデックス上昇ドル高傾向

❷ ドルインデックス下降ドル安傾向

3. ダウ平均株価(DJI)

ダウ平均株価とは?

ダウ平均株価とは、米国のダウ・ジョーンズ社が算出している平均株価であり、アメリカの代表的な業種の銘柄の株価を元にしています。

  • ダウ工業株平均30種
  • ダウ輸送株20種平均
  • ダウ総合65種平均

などを元にしており、マイクロソフトやアップルなどのハイテク慣例の銘柄は、NASDAQ(ナスダック)に属します。

ダウ平均株価と為替の相関関係は、直接的な関係はありませんが、ダウ平均の動向は為替相場に参考になります。

例えば、リスクオフ(投資家が安心・安全を求める)場合、安全通貨の円やスイスフランが買われ、円高になりやすいです。

一方でリスクオン(投資家が積極的に投資をする)場合、安全通貨の円やスイスフランが売られ、円安になりやすいです。

つまり、相関性が見られる局面では、株や通貨の個別材料よりも、金融市場全体(アメリカ経済)がリスクオン又はリスクオフになったタイミングが特に相関関係になりやすいです。

ポイント

❶ 世界経済が不安定→リスクオフ(安心・安定)→円・スイスフランが買われる

❷ 世界経済が好景気→リスクオン(積極的投資)→ドル・新興国通貨が買われる

4. 日経平均株価(NI225)

日経平均株価とは?

日経平均株価とは、東京証券取引所一部に上場する225銘柄の株価を算出した株価指数です。

一般的には、為替相場と日経平均は連動性が高いと言われています。

ドル円相場の場合、円安になれば日経平均は上昇傾向になり、円高になれば日経平均は下落傾向になります。

こちらのチャートを見てもらえば、為替相場と日経平均株価の連動性が高いことが分かります↓

引用:https://kabu.dmm.com

為替相場と日経平均株価が連動する具体的理由は2つあります。

海外にある日本企業の円建ての利益拡大

1つは日本企業は海外で活動している企業が多く、ドルを中心とした外貨で利益を上げているため、円安が進むと円建ての利益が拡大し株価が上昇する。

(円高になると逆の動きになります)

輸出企業が多く為替相場に影響を受ける

2つ目は、日経平均を構成する225銘柄の多くが輸出企業なので、為替相場の変動が影響を受けやすい点です。


こんな風に、為替相場と日経平均は連動していることが多いので、ドル円相場でFXトレードされている方は、日経平均を毎日チェックしましょう。

ポイント

❶ 「円安」→「日経平均上昇」又は、「日経平均上昇」→「円安

❷ 「円高」→「日経平均下降」又は、「日経平均下降」→「円高

5. 原油価格(WTI原油先物

原油価格とは?

原油価格とは、その名の通り原油を取引する際の価格です。

原油の中には「中東産ドバイ」「WTI」などがあり、その中でも重要ななのがWTI原油先物です。

WTI原油先物とは、原油価格の代表的な指標のひとつです。

原油価格が上昇すると買われやすく、下落すると売られやすい通貨は、豪ドルカナダドルです。

つまり、原油高になるとオーストラリアやカナダの景気が良くなるので、豪ドルやカナダドルが買われます。

一方で原油安になると、資源国の景気が悪くなりため、豪ドルやカナダドルなどの資源国通貨は売られやすくなります。

では、米ドル円に関してはどうなのでしょうか?

実は米ドル円と原油価格は相関関係があり、原油価格が上昇すると米ドル円が上昇し円安ドル高傾向になりやすいです。

反対に原油価格が下落すると米ドル円が下落し、ドル安円高になりやすいです。

その理由は6つあります。

  1. エネルギー関連銘柄が下落し安全通貨の円が買われる
  2. 輸入価格の下落で日本の貿易黒字が増え円が買われる
  3. 米長期金利(米10年債)が下がり米ドルが売られる
  4. 「原油高」=「ドル高」の影響で円が売られる
  5. 「原油安」=「ドル安」の影響で円が買われる
  6. 原油価格が上昇するとドルストレートが強くなる

このように、原油は為替相場と相関関係があるので、FXトレードでは原油価格は常にチェックしましょう。

ポイント

原油高→豪ドル・カナダドル(資源国通貨)が買われる

原油安→豪ドル・カナダドル(資源国通貨)が売られる

❸ 原油価格上昇→ドル高→ドル高円安

❹ 原油価格下降→ドル安→ドル安円高

6. ゴールド(XAUUSD)

ゴールドとは?

ゴールドは、歴史的に世界中で高い価値を認められており、投資家達にとっても重要視されています。

原則的にあらゆる他の資産から独立した価値を有し、世界の基準通貨として認められている米ドルの価値を保障してます。

実はゴールドは、世界の基軸通貨である米ドルと連動しています。

ドルとゴールドは、ドル高になればゴールドが下がり、ドル安になればゴールドが上がる関係です。

これを逆相関の関係と言います。

なぜなら、ゴールドは貴金属であると同時に、お金の一種として認識されているからです。

また、ゴールドは世界共通資産であり、特定の国の経済状況に依存していないので、ドルが下落する時のリスク対策としてゴールドが買われるのです。

なので、ドル建ての資産を多く持っている人は、ゴールドを買い、アメリカ経済が不安定になるとドルを売ってゴールドを買う動きが働きます。

「有事の金」という格言があるように、リスクが増大すると安全資産であるゴールドに資金が流入し、リスクが下がると他の商品へと資金が流出します。

ポイント

ドル高→ゴールド下がる

アメリカ経済好景気→ドルが買われゴールドが売られる

ドル安→ゴールド上がる

アメリカ経済不安定→ドルが売られゴールドが買われる

❸ 米ドルのリスクヘッジとしてゴールドが売買される

まとめ:FXは様々な指標を見てエントリー判断を下そう

為替相場は相関関係があり、何か一つの指標が動くと、通貨ペアに大きな影響を与えます。

とはいえ、相関性が強い通貨ペアでも、その時々で逆相関の動きをすることもあります。

なぜなら、通貨ペア同士の相関性は、時間足によっては異なりますし、時代によって変化するからです。

なので、一概に「〇〇が動いたら、〇〇も動く」と信じず、常に疑いの目を持って判断しましょう。

自分がトレードする通貨ペアと同時に上記でお伝えした指標を確認すれば、チャート分析やエントリーの精度が高まるので、あとはトレードを重ねてコツを掴むだけです。

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