ファンダメンタルズ分析をしようと思っても、「どの部分を見ればいいか分からない…」「頭がぐちゃぐちゃになる…」と悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ドル円相場でトレードする際にチャックするべきファンダメンタルズ」について詳しく解説していきます。
本記事を読めば、どんな要因でドル円チャートが動くのか?把握できるので、最後まで読んで学ぶ機会にしてください。
では早速ですがまいりましょう!
簡単に読む目次
そもそも、ファンダメンタルズとは?
ファンダメンタルズとは、直訳して「経済の基礎的条件」と表します。
意味は、国や企業などの経済状況を示す指標のことで、様々な外的要因から経済状態が変わります。
特に「経済成長率」「物価上昇率」「雇用統計」「財政収支」「金利」などが強く為替に影響を与えます。
このような指数をもとにドル円の為替の値動きや株かを分析し、予測することをファンダメンタルズ分析と言います。
ドル円で見るべき8つのファンダメンタルズ
❶ 金利
まずドル円で見るべきファンダメンタルズは、「金利」です。
金利の動きは為替と密接に関係しており、金利の変動によってドル円相場に影響を与えます。
金利とは?
金利とは、預金や貸付に対する利子のことです。
日本の金利が低いと、「日本にお金を預けていても得しない…」ということで、ドルにお金が流れる。
円を売ってドルを買う動きが強まるため、ドル円相場は「円安ドル高」傾向になりやすいです。
例えば、日本円の金利が低く、アメリカのドルの金利が高いと、世界中の人は有利な金利を求めドルにお金を移し、円の比率を減らします。
すると、為替相場では、円安ドル高になり、ドル円相場ではチャートが上昇していく傾向があります。
なので、ドル円相場ではアメリカと日本の「金利政策」について、ファンダメンタルズ分析をしましょう。
❷ 世界情勢
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「世界情勢」です。
世界情勢とは、世界的な政治・経済のトレンド、戦争やグローバル企業の問題、各国が共通している問題などのニュースです。
例えば、戦争やパンデミックなどの問題が起きると株が下がる。(いわゆるリスクオフです)
リスクオフとは?
リスクが高い環境の中でのトレーダー達の心理状態を表す言葉です。
リスクを避ける心理が働き、リスクの低い通貨や銘柄にお金が流れやすい傾向があります。
なぜなら、マーケット参加者は株が下がって損失を被ることに怖がり、安全そうな通貨にお金を流すからです。
安全そうな通貨の代表が、「ゴールド」「米国債」「日本円」これらが買われる傾向があります。
すると、ドル円相場では、「円安ドル高」になる傾向が高い。
一方でリスクオンで戦争が無くて平和な状態で、世界の国々が経済の促進の政策を行なっている時は、「ゴールド」「日本円」「米国債」は売られやすい傾向があります。
リスクオンとは?
リスクの低い環境の中でのトレーダー達の心理状態を表す言葉です。
世界中の景気が良くなるため、リスクを掛ける心理が働き、色々な通貨や銘柄に投資する人が増え、お金があらゆるところに流れやすい傾向があります。
米国債が売られると金利が上がっていくので、「円安ドル高」になり、株が上がりやすいです。
❸ 通貨強弱
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「通貨強弱」です。
通貨強弱とは?
通貨強弱とは、どの程度「円」または「ドル」の通貨が単体で買われているか?売られているか?を分析する手法です。
「複数の通貨ペアの強弱」から計算したものが通貨強弱です。
例えば、「今日はドルが強い」と判断すれば、上昇トレンドが発生する可能性が高い通貨ペアを見極められます。
ドル円相場の場合、ドルが強ければ資金がドルに集まっているので、短期的には円安ドル高傾向になりやすい。
一方でドルが弱ければ円にお金が集まってくるので、短期的には円高ドル安傾向になりやすい。
FXの本質は、通貨ペア同士の交換なので、どちらか一方の通貨が強かったり弱ければ、片方の通貨の需要が強くなります。
すると、それがチャートにも反映されるので、通貨強弱をチェックしドル円相場のファンダメンタルズ分析を行うようにしましょう。
❹ ドルインデックス(DXY)
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「ドルインデックス 」です。
ドルインデックスとは?
ドルインデックスとは、円、ユーロ、ポンド、スイスフランなどの複数の通貨に対するドルの価値を指数化したものです。
ドルは世界No.1の通貨なので、ドルインデックスの指標が高いと、主要通貨に対してドルが買われていることを表します。
つまり、ドル円相場の場合、ドルインデックスが高い指標だと、ドルが買われ円が売られることで「円安ドル高」になる傾向が高い。
一方でドルインデックス が低い指標だと、ドルが売られ円買われることで「円高ドル安」になりやすい傾向があります。
なので、ドル円相場でファンダメンタルズを見るなら、「ドルインデックス 」の指標は常にチェックしておきましょう。
❺ 日経平均株価(NI225)
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「日経平均株価」です。
日経平均株価とは?
日本の株式市場の代表的な株価指標の一つです。日経225とも呼ばれています。
ドルと日経平均株価は相関関係があり、日経平均株価が上昇している時は円安ドル高になりやすい傾向があります。
一方で日経平均株価が下落している時は、円高ドル安傾向になりやす傾向があります。
ではなぜドルと日経平均株価に相関関係があるのでしょうか?ポイントは2つあります。
それは、「為替の影響が日経平均株価に影響を与えるケース」と「日経平均株価が為替に影響を与えるケース」です。
為替の影響→日経平均株価
円安が進むと輸出企業の株が買われやすく、日経平均株価が上昇します。
当然円安が進むと、日本の株式市場は活発になるため、株高になりやすい。
一方で円高になると、輸出企業の期待が低くなるため、日経平均株価も下がるケースが高いです。
日経平均株価の影響→為替
外国人投資家の為替ヘッジに動きがあることで、日経平均株価が動きます。
例えば、手持ちの外貨を円に換えると同時に、円を売って外貨を買い戻すための為替予約をしたとします。
すると、日経平均が上昇して円の資産が増え、追加の円売り外貨買いの為替予約をしなければならず、ますます円安に進んでいきます。
このように、為替が動いた後に日経平均株価が動く場合と、日経平均株価が動いた後に為替が動く2つのパターンがあります。
なので、ドル円相場でファンダメンタルズを見るなら、「日経平均株価 」の指標は常にチェックしておきましょう。
❻ ダウ平均株価(DJI)
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「ダウ平均株価」です。
ダウ平均株価とは?
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出するアメリカ合衆国の代表的な株価指数です。
ドルとダウ平均株価は相関関係があると言われていますが、相関関数がなくなる時期もよくあります。
とはいえ、為替相場のセオリーでは、「世界の経済はダウ平均株価によって動く」です。
ダウ平均株価が上昇していれば、ドルの価値が高まっている証拠なので円安。
一方でダウ平均株価が下降していれば、ドルの価値が弱くなっているので、円高になる傾向があります。
とはいえ、ダウ平均株価とドル円相場の相関関係が無くなる時期もありますので、「ダウの様子を見ながら、ドル円チャートを分析する」というイメージがいいでしょう。
❼ 経済指標
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「経済指標」です。
経済指標とは?
世界中の経済状況を示す、「金利、景気、貿易、物価、雇用」などを数値化したものです。
例えば、毎月1週目の金曜日に発表される米国雇用統計は、アメリカの雇用が増えればドルの価値が当然高まります。
すると、短期的に円安になる傾向が高く、そのタイミングを狙ってトレードする方も少なくありません。
また、ロンドンフィキシングと言われる、金の取引価格を決定する時間帯は、為替相場に強く影響を与えるためチャートが乱高下しやすいです。
こんな風に、経済指標発表時、月末に決まる取引価格などは、トレーダーにとっては大きなチャンスです。
なので、ドル円相場でファンダメンタルズを見るなら、「経済指標」が発表されるタイミングは常にチェックしておきましょう。
❽ 要人発言
ドル円で見るべきファンダメンタルズは、「要人発言」です。
要人発言とは?
世界の経済政策を担う大統領や大臣、中央銀行の関係者の発言のことです。
要人発言は、今後の世界経済の見通しを把握できるので、「円高ドル安になりやすいのか?」「円安ドル高になりやすいのか?」を予測しやすいです。
要人のたった一言でチャートが大荒れし、トレンドが発生したり、暴騰暴落が発生したりするので、要人発言前にはポジションを整理しましょう。
例えば、「物価の水準が高い」という発言が出ると、インフレを懸念していると予測できるので、マーケットでは利上げを検討している可能性が高い。
はたまた、米国の要人が経済について前向きな発言があると、ドル高円安に進んだりと、要人発言は為替相場の変動の大きな要因になりやすいです。
特に「FRB(米連邦準備理事会)議長」「財務長官」から重大発表がされることが多いので注視しましょう。
ドル円相場でファンダメンタルズを見るなら、「要人発言 」はマストです。覚えておいてください。
まとめ:ドル円で見るべきファンダメンタルズ
ドル円でトレードする際は、上記でお伝えしたファンダメンタルズを分析しながら、テクニカルも併せてチャートを分析することを強くオススメします。
では改めて“まとめ”をお伝えします。
まとめ:ファンダメンタルズ
- 金利
- 世界情勢
- 通貨強弱
- ドルインデックス
- 日経平均株価
- ダウ平均株価
- 経済指標
- 要人発言
FXトレードでは、様々な外的要因からチャートが動き、トレンドが変わったり、相場が急騰や急落することもあります。
ファンダメンタルズをチェックすることは、テクニカル分析にも役に立つため覚えておいて損はないでしょう。
特にDMM FXの取引ツール内にあるにニュースを活用すれば、情報収集を怠らずに済むので、口座を持っていない人は今のうちに作っておきましょう。