投資するならSPYD・HDV・VYMがおすすめ!特徴とメリット・デメリットを紹介

巷で人気のSPYD、HDV、VYMという3つのETF(上場投資信託)。

これらの銘柄は、S&P500の銘柄で構成されており、世界的にも人気な投資先です。

とはいえ、コロナショックの影響により、多くの銘柄で大きな下落幅となりましたが、この3つの銘柄の明暗が付きました。

そこで今回は、世界的に人気のSPYD、HDV、VYMの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

ではまずは、「どうしてこの3つの銘柄がいいのか?」についてお伝えします。

なぜ「SPYD・HDV・VYM」この3銘柄がいいの?

SPYD・HDV・VYMは、米国の株式市場では、高配当ETF(上場投資信託)と言われています。

この銘柄以外にも、SRET、RWX、IFGL、SJNK、JNKなどがあります。

ですが、SPYD・HDV・VYMこの3つの銘柄は、配当利回りが最も高いため世界中で人気です。

特にこれからの人生で、配当収益を得て少しでも楽して暮らしたい、セミリタイアしたい人にはピッタリ。

では下記で、SPYD・HDV・VYMの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

SPYD

SPYDとは?

SPYDとは、米国株式であるS&P500の指数構成銘柄のうち、高配当利回り上位80銘柄に投資する上場投資信託(ETF)をさします。

米国に上場されていますが、SBI証券や楽天証券の日本の証券会社でも購入可能なので、高配当利回りを実現させたい方にオススメです。

メリット

SPYDの最大の特徴は、配当利回りが最も高い点です。

配当利回りが最も高いということは、近い将来の配当金を最大化することを考えれば適しています。

若年期に配当金という定期的に生まれる不労所得・キャッシュフローを最大化したい人にメリットを感じられるETF(上場投資信託)です。

デメリット

とはいえ、30年を超えるような運用期間を想定した場合は、課税デメリットが応分に大きくなる可能性があります。

また、運用開始(設定日)かが2015年であることから、直近の暴落局面に出会ったリーマンショック時に「どの程度下落したのか?」というデータはなく、配当実績は現時点で約4年分と限定的であり、増配傾向を探るにはデータが少ないです。

少なくとも過去4年間では増配傾向が見られます。

また、組み入り銘柄数が80と、VYMと比べると少ないことから、銘柄数の観点からは株価の変動において1銘柄の影響を受ける度合いは良くも悪くも高まる可能性があります。

HDV

HDVとは?

HDV (iシェアーズ・コア高配当株ETF) とは、あらゆる時価総額水準の株式銘柄を含む、モーニングスター配当フォーカス指数に連動した投資結果を指します。

例えば、石油、ガス、電気、通信、消費財、生活必需品など、主にインフラ企業です。

モーニングスター配当フォーカス指数とは?

財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことができ、質の高い米国企業75銘柄で構成されています。

また、配当として支払うことのできる余剰資金(配当金)によって、格付けされています。

メリット

HDVが連動を示す指数は「モーニングスター配当フォーカス指数」といい、財務の健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことが可能と認められた「利回り上位75社以上銘柄」で構成されたものです。

よって、HDVを保有することで、財務が良好かつ高配当な銘柄に分散投資できるというメリットが期待できます。

配当利回りはVYMとSPYDの間ということで、良くも悪くも中間的な存在です。

デメリット

銘柄数が75と3つのETFで最も少ないことから、銘柄数の観点からは株価の変動において1銘柄の影響を受ける度合いは良くも悪くも高まる可能性があります。

構成セクターは石油セクターが多く、今後同セクター企業が衰退すればHDVも悪影響を受けますが、その際は銘柄入れ替えがなされるかもしれず、なんとも言えないところです。

VYM

VYMとは?

VYMとは、米国籍のETF(上場投資信託)のことです。

平均以上の配当を出す普通株で構成されるFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目的としています。

また、時価総額加重平均を用いて、保有銘柄の格付けを算定しています。

FTSEハイディビデンド・イールド指数とは?

アメリカの米国市場における高配当利回りの銘柄を対象とした指数です。

REITを除く銘柄で構成される時価総額加重平均の株価指数になります。

※REITとは不動産投資信託。公衆から調達した資金を不動産に投資する金融商品のこと。

メリット

VYMは3つのETFの中で最も運用期間が長く、配当実績、リーマンショック時の株価下落率、減配率など、参照可能な過去データが豊富です。

過去、おおむね6%の増配を続けており、増配率も高い傾向です。

銘柄数が最多ということで、1銘柄から受ける影響は相対的に少なく、現時点では3つのETFの中でも安定感が垣間見えます。

デメリット

一方で配当利回りは3つのETFの中で最も低い値で推移しています。

配当金という不労所得・キャッシュフローの近い将来における最大化は、しにくい傾向が見られます。

「SPYD・HDV・VYM」各銘柄の特徴

配当利回りと経費率

ティッカー 名称 配当利回り 経費率
SPYD SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF 5.40% 0.07%
HDV iシェアーズ コア米国高配当株 ETF 4.25% 0.08%
VYM バンガード・米国高配当株式ETF 3.78% 0.06%

配当利回りは約4〜5%程度でかなりの高配当率。

経費率に関しては、一般的な株式ETFの単純平均経費率は0.49%なのに対し、SPYD・HDV・VYMは平均0.07%と圧倒的に低いです。

各銘柄の特徴

ティッカー 特徴 投資スタイル 投資銘柄数
SPYD 配当利回り狙いで投資 均等投資 80
HDV 財務健全性(弱)+配当利回り(強) 時価総額加重平均 75
VYM 財務健全性(強)+配当利回り(弱) 時価総額加重平均 400

財務健全性とは?

企業の資金調達の健全性を示す指標です。

自己資本対固定資産比率(X5)→企業が所有する建物、不動産、土地、設備など、固定資産を自己資本でどのくらい調達しているかの比率です。

時価総額加重平均とは?

時価総額加重平均は、株価指数の算定方式の一つです。

銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計で除算したものです。

  • SPYDは配当利回り狙いで、「均等投資」で投資をするのがオススメでしょう。
  • HDVは財務健全性が若干弱く、配当利回りが強いので、「時価総額加重平均」で投資するのがオススメ。
  • VYMは財務健全性が強く、配当利回りが若干弱いですが、「時価総額加重平均」で投資するのがオススメ。

純資産で比較

ティッカー 純資産額 設定日
SPYD 20億ドル 2015/10/21
HDV 53.2億ドル 2011/3/29
VYM 268.1億ドル 2006/11/10

銘柄の純資産額を見ると、VYMが268.1億ドルと最も高配当なETF(上場投資信託)と言えるでしょう。

とはいえ、「高配当=人気が高い」というより、様々なメリット・デメリットをトータルに判断し、基準価格の成長率を重視されるようです。

基準価格とは?

ETF(上場投資信託)の値段のことを指します。

多くのファンドは1万口座あたりの金額で表示され、時価評価額を計算して購入・換金する際に基準価格によって行われます。

「SPYD・HDV・VYM」詳細と各銘柄の数を紹介

SPYDの詳細

ファンド名称 SPDR® Portfolio S&P 500® High Dividend ETF
運営会社 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)
ベンチマーク S&P 500® 高配当指数
銘柄数 80
経費率 0.07%
設定日 2015/10/21
総資産額 20億ドル
配当利回り 5.40%
配当支払月 3,6,9,12

SPYDの上位10銘柄

銘柄名 業種 Ticker
Invesco Ltd. 金融 IVZ
Public Storage 不動産 PSA
International Paper Company 素材 IP
Hanesbrands Inc. 一般消費財・サービス HBI
Regions Financial Corporation 金融 RF
Fifth Third Bancorp 金融 FITB
Broadcom Inc. 情報技術 AVGO
Leggett & Platt Incorporated 一般消費財・サービス LEG
Comerica Incorporated 金融 CMA
ViacomCBS Inc. Class B コミュニケーション・サービス VIAC

SPYDでは、金融、不動産、情報技術が大半を占めています。

SPYDは配当利回りは高いものの、コロナショック時に下落率が大きいという事実がありました。

リスクも大きい銘柄で構成されているため、未曾有の時期は大きな下落をしてしまう傾向があります。

HDVの詳細

ファンド名称 iシェアーズ 米国高配当株ETF
運営会社 ブラックロック
ベンチマーク モーニングスター配当フォーカス指数
銘柄数 75
経費率 0.08%
設定日 2011/3/29
総資産額 53.2億ドル
配当利回り 4.25%
配当支払月 3,6,9,12月

HDVの上位15銘柄

業種 銘柄名 保有比率(%) 連続増配 ティッカー
通信 AT&T INC 8.97 35 T
エネルギー EXXON MOBIL CORP 8.31 37 XOM
ヘルスケア JOHNSON & JOHNSON 6.42 57 JNJ
通信 VERIZON COMMUNICATIONS INC 6.37 15 VZ
エネルギー CHEVRON CORP 5.61 32 CVX
ヘルスケア PFIZER INC 5.49 10 PFE
生活必需品 COCA-COLA 4.04 57 KO
ヘルスケア MERCK & CO INC 3.77 13 MRK
生活必需品 PEPSICO INC 3.69 47 PEP
情報技術 CISCO SYSTEMS INC 3.66 9 CSCO
生活必需品 ALTRIA GROUP INC 3.44 49 MO
情報技術 TEXAS INSTRUMENT INC 2.38 16 TXN
ヘルスケア AMGEN INC 2.3 9 AMGN
資本財・サービス 3M 2.15 61 MMM
公益事業 DOMINION ENERGY INC 2.13 15 D

HDVは、SPYDよりも利回りは低いですが、健全性が高い銘柄で構成されているため、未曾有の大惨事が起きても安心できる投資先です。

どの企業も連続増配を繰り返している銘柄になっており、堅実に投資したい人にオススメ。

また、上位7銘柄に関しては25年以上の連続増配記録を持っており、配当貴族銘柄にも数えられています。

しかもティッカーのKOに関しては、かの有名な伝説の投資家ウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハサウェイも保有する銘柄です。

伝説の投資家のお墨付きを頂いているので、優良な投資先と言えるでしょう。

VYMの詳細

ファンド名称 バンガード・米国高配当株式ETF
運営会社 バンガード
ベンチマーク FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス
銘柄数 約400
経費率 0.06%
設定日 2006/11/10
総資産額 268.1億ドル
配当利回り 3.78%
配当支払月 3,6,9,12月

VYMの上位10銘柄

銘柄名 ファンド構成比 シンボル
Johnson & Johnson 3.98000 % JNJ
Procter & Gamble Co. 3.43400 % PG
JPMorgan Chase & Co. 2.95600 % JPM
Verizon Communications Inc. 2.49900 % VZ
Intel Corp. 2.22500 % INTC
Comcast Corp. Class A 2.12500 % CMCSA
Merck & Co. Inc. 2.12400 % MRK
Pfizer Inc. 2.06900 % PFE
AT&T Inc. 2.06100 % T
Walmart Inc. 1.97700 % WMT

VYMは高配当ETF(上場投資信託)の中でも、財務健全性が高い銘柄で構成されています。

また、バンガードのサイトによると、「大型株の中でも、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を重点的に組入れます。」と紹介されています。

他のETFに比べて400銘柄とかなり幅広く分散されており、時価総額が大きい銘柄ほど保有比率を上げる仕組みになっています。

なので、リスクなく投資をしたい人にとっては、VYMは優良な投資信託と言っていいでしょう。

結論:一般人は「VYM」と「HDV」がオススメ

SPYDに関しては、少しリスクのある投資先と言えるでしょう。

なぜなら、一度コロナショックで大幅に下落している経緯があるからです。

配当利回りは高いものの、また未曾有の大惨事が起きれば、大幅に下落する確率が高まります。

なので、一般の方は財務健全性が高く、時価総額加重平均で投資できるVYMとHDVのETF(上場投資信託)がオススメです。