- 戦争が起きるとFXってどうなる?
- リスクオン・リスクオフって何?
- どんな相関関係があるのか教えて!
こんな風に、疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。
特にアメリカと中東のいざこざが増えると、市場全体が大きく揺らぎ、いつも通りにトレードをしても勝てない場合が多いです。
とはいえ、前もって把握しておけば、対処法を練ることは可能なので、本記事で学んで頂ければ幸いです。
今回は「戦争が為替にどのように影響を与えているのか?」「リスクオフ・リスクオンになる要素」について解説していきます。
では早速ですがまいりましょう!
簡単に読む目次
戦争が為替相場に与える影響
戦争が起こるとマーケットはピリピリし、一時的にトレンドになる場合が多いです。
下記のチャートは、2021年8月17日午前5時40分の通貨強弱です。
(アフガニスタンから米軍が撤退し、タリバンが首都カブールを掌握しガニ政権が崩壊したタイミングです)
ご覧の通り、日本円、スイスフランが極端に強いことが分かります。
20世紀の為替市場では、「有事のドル買い」という格言が定着し、戦争が起きるとドルが買われる傾向が強くありました。
ですが、21世紀では戦争が起こると、
- 日本円
- スイスフラン
- 金(ゴールド)
- 仮想通貨
などが買われる傾向が強くなり、ここ最近は有事のドル買いはあまり聞かれなくなりました。
つまり、「有事のドル買い」から「リスク回避の円買い」に移り変わりつつあるということです。
ドルは国際間決済で最も使われる基軸通貨なので、戦争が起こると不足の事態に備えて蓄えようとする動きがありますが、本格的に戦争が始まらない限り「有事のドル買い」には発展しないのです。
戦争が起こると為替相場はリスクオフになる理由
では、なぜ有事が起こるとリスクオフになるのか?
それは世界の為替市場参加者が安心・安定を求め、一時的に資金を避難させたいという思惑があるからです。
そのため、安全性の高い日本円・スイスフランなどの通貨が買われやすいです。
とはいえ、軍事的なリスクとなれば話は別で、「有事のドル買い」を裏付けるデータもあります。
過去に起きた武力衝突は円安ドル高の材料になってきた傾向も伺えるため、一概に「戦争が起こる=円高」とは位置付けられません。
また、株式市場では「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」との相場格言があるため、欧州を主戦場とした戦争では、日本や米国が輸出を伸ばした過去があります。
つまり、ドル円相場の場合、日本に戦火が及ばなければ戦争は特需を生み、株式の買いの材料になる。一方で円とドルが買われる傾向が高いです。
アメリカが本格的に戦争を起こすとドル高になる確率が高い
1980年以降は、アメリカが海外で起こした戦争は合計で30回です。
この戦争中はドル円相場は、
- 円高ドル安が11回
- 円安ドル高が18回
でした。
先述では最近は「有事のドル買い」から「リスク回避の円買い」になる傾向が高いとお伝えしましたが、国家と国家が戦火を交えた場合は話が違います。
どういうことか?
それは本格的に戦争に勃発すると、「有事のドル買い」になるということです。
ですが、一方で「有事」に至らなかった場合は、日本円、スイスフラン、ゴールドなどに買いの矛先が向かいます。
例えば、今回アフガニスタンでタリバンが首都を掌握しましたが、戦争には勃発しなかったため「有事のドル買い」にならなかったのです。
・本格的に戦争になると、「有事のドル買い」でドル高になる。
・有事に至らない場合、円、スイスフラン、ゴールドが買われる。
地政学リスクと為替相場の関係性について
地政学リスクとは?
ある国や地域で政治的な混乱や軍事的な緊張の高まりから、経済活動を停滞させてしまい、世界経済の先行きが不透明になるリスクのことです。
この地政学リスクが高まってしまうと、為替市場では日本円や米ドル、金や原油の価値が高まり、買われやすい傾向があります。
ではなぜ買われるのか?理由は「流動性の高さ」です。
特に日本円や米ドル、金や原油などは、為替市場での取引量が充分に大きいため、市場がリスクオフ(市場が安心・安定を求める)に傾いても相対的に売買しやすい。
とはいえ、流動性が高いということは一時的な避難場所としての役割が多く、地政学リスクが鎮静化すれば、資金の巻き戻しが起きやすくなります。
なので、国同士が戦火を交えなければ有事のドル買いとはならず、マーケットは様子見から流動性の高い円やスイスフラン、金や原油にお金が流れやすいのです。
・円やスイスフランが「有事」に買われる理由は、為替市場での取引量が多く「流動性が高い」から。
・有事の時は「投資目的」よりも「一時避難的」な場合が多く、鎮静化すれば資金は戻ることが多い。
アメリカが起こした戦争・危機の際の為替相場の傾向
下記では、20世紀・21世紀の戦争・危機がどのように、為替相場に影響を与えたのか?について解説します。
(下記のリンクを踏めば段落ごとに飛べます)
では一つずつ解説します。
(1)1985年9月:プラザ合意
プラザ合意とは?
米国の対日貿易赤字削減のため、円高ドル安に誘導する為替レート安定化に関する合意の通称。
プラザ合意の発表の翌日、ドル円相場は1日で235円→215円と約20円も円高になり、一週間も経たずに210円台まで下落。
そして、一年後には1ドル150円台まで値を下げ、円高はより一層進むことになりました。
- 235円→210円
- 急な円高ドル安
アメリカは中国、日本と通商交渉で対米黒字削減を迫っているので、再び政治が為替市場で大きな円高を誘引するリスクとなるかもしれません。
(2)1989年6月:天安門事件
天安門事件とは?
北京にある天安門広場に民主化を求めて集まったデモ隊に対し、国の軍隊が武力行使をし、多数の死者を出した事件。
ドル円相場で141円台で推移していたドル円が、天安門事件後の10営業日で149円台まで急激なドル高円安になりました。
- 141円→149円
- 急な円安ドル高
なぜなら、1989年は中国マーケットが解放されていなかったので、地政学リスクから、日本の円が代替として売られたためです。
このタイミングは日本のバブルの時期にあり、この年の6月は34,328円の高値から32,606円の安値まで3.85%も下落した。
(3)1998年:LTCMショック
LTCMショックとは?
1997年に発生したアジア通貨危機の煽りを受け、世界最大のヘッジファンドLTCMが、デリバティブ取引などの巨額のポジションに想定外の大損失を被り、世界のマーケットに多大な影響を及ぼしたものです。
1998年8月ロシアがデフォルトし、LTCM(ロングターム・キャピタル・マネージメント)が9月に破綻。
すると、ドル円相場は8月に1ドル=146円から、10月6~8日のわずか2日間で134円台から111.65円に下落しました。
その下落幅なんと2日で“約22円超”。
- 146円→134円→112円
- 急な円高ドル安
戦争だけに限らず、金融危機も為替相場に大きな影響を与えます。
(4)2001年9月:米国同時多発テロ
米国同時多発テロとは?
2001年9月11日の朝、イスラム過激派のテロリストであるアルカイダが、ワールドトレードセンターとペンタゴンに飛行機で突っ込み2,763人が亡くなったテロ事件です。
120円台で推移していたドル円相場は、118〜122円の乱高下を繰り返した後、9月20日に向けて115.83円まで円高ドル安が進行しました。4.3%の円高です。
- 120円→115円
- 円高ドル安
そして、その後円安に振れたことから、ドルに関しては、テロよりも、経済政策・経済危機の影響を大きく受けるようです。
一般的にはアメリカがテロの対象になると「有事のドル買い」が起こる確率が高いですが、9.11ではドル買いが起こらなかったと言われています。
このような事例があることから、一概に「有事(戦争)が起こる=ドル買い」という訳ではないので、頭の片隅に入れておきましょう。
(5)2008年9月~10月:リーマンショック
リーマンショックとは?
2008年9月、アメリカの巨大銀行リーマン・ブラザーズが破綻し、その影響から世界的な株価下落・金融危機が起こった総称。
2007年にサブプライムショック、2008年9月のリーマン・ブラザーズの破綻で、金融市場は信用収縮が起こりました。
金融機関の抱える負債が不透明なので、信用不安が起こり、お金が市場に出回らず悪循環になってしまいました。
この影響から、ドル円相場は一瞬で98円台から90円まで下落し、7円以上もの円高が進行しました。
- 98円→90円→54円
- 5週目で17円下落
- 円高ドル安
先述でも振れましたが、アメリカはテロなどの有事よりも、金融や経済のダメージの方がドル安円高になる傾向が強いです。
有事のドル買いではなく、リーマンショックはリスク回避の円買いに動いた投資家が多くいました。
(6)2003年3月:イラク戦争
イラク戦争とは?
2003年3月に米国を中心とする多国籍軍(イギリス・オーストラリア・ポーランド軍)によって、大量破壊兵器保持における理由のもとでイラクへ侵攻して始まった戦争のこと。
イラク戦争が始まる前の2002年12月から2003年3月の4ヶ月間、ドル円相場は125円→116円台の9円も下落。
この時期は、オニール財務長官の辞任なども重なったため、どこまでがイラク戦争に対する懸念からのドル売りだったのかは定かではありません。
ですが、イラク戦争が始まる前のこの時期は、ドルが最弱の通貨で円は中位でした。
当時の記事には、「戦争開始の可能性が現実味を帯びると、安全資産にドルからの資金逃避の動きが活発化する『有事のドル売り』に拍車が掛かった」と記されています。
つまり、戦争が始まる前は、マーケットが不安状態に陥り、ドルを売り円やスイスフランなどの安全通貨を買うケースが多いということです。
(7)2001年10月7日:アフガニスタン紛争
アフガニスタン紛争とは?
アメリカがアフガニスタンに侵攻した後、アルカイダの活動拠点を奪うためにタリバンを政権から追い出すことに成功した紛争。(現在進行中の紛争)
アフガニスタン紛争での開戦前後での「ドル安」と、戦争終結を前後にした「ドル高」という動きにり、これまた「有事のドル買い」ではありません。
つまり、為替相場の動きは、「有事のドル安」、「戦後のドル高」といった 展開となった。
「有事のドル安」は開戦前後の1ヶ月で5パーセントのドル下落で、91年の初めは1ドル=135 円だったが、2 月上旬にかけて 127円まで下落。
2月上旬にアメリカ含む多国籍軍の勝利が確定的となると、急にドルが買われドル高に。
つまり、勝利の見極めがつくまで続落し、勝利と共にドル高になりました。
なので、一概に戦争が始まったら「有事のドル買い」が起こるのではなく、戦争に勝利したタイミングでドル高になるケースもあるのです。
(8)1991年1月17日:湾岸戦争
湾岸戦争とは?
1990年8月2日のイラクがクウェートに侵攻し、国際連合が多国籍軍の派遣を決定し、1991年1月17日にイラクを空爆して始まった戦争。
1991年1月17日に湾岸戦争が始まり、「有事のドル安」「戦後のドル高」という結果になりました。
「有事のドル安」は、開戦前後の約1ヶ月で5%の下落となり、91年の初めは1ドル135円→2月上旬にかけて127円まで下落。
その値幅はなんと、12円差。
そして、2月上旬に多国籍軍の勝利が確定すると、ドル買いが始まり、ドル円相場はドル高円安相場になりました。
つまり、戦争が始まる有事の期間中はドルが売られ、勝利の見極めがついたタイミングでドルが買われたということです。
なので、有事だからといって、ドルが買われる訳ではないことを覚えておきましょう。
戦争は為替に影響を与えるが「戦争」=「有事のドル買い」ではない
戦争が起こると、為替相場では「ドルが買われる」という認識が強いですが、一概に有事のドル買いになるとは限りません。
なので、安易にドル買いをしないようにしましょう。
上記でお伝えした、米国が絡む戦争・危機から分かることは、アメリカ経済が打撃をくらうと、ドル売りになる確率が高まるということです。
例えば、9.11の場合有事のドル買いが起こると思いきや、ドルは売られ円やスイスフランなどの通貨の価値が高まりました。
また、アフガニスタン戦争、イラク戦争、湾岸戦争も同様で、戦争が始まる前は先行きが不透明なので、その不安からドルが売られるケースが多くありました。
なので、有事が起こったからといって、ドルが強くなるのは幻想に近いということです。そのまた逆も同じです。
相場の雰囲気を感じ取りながら、状況に応じてトレードすることがFXトレーダーに求められています。
戦争は為替相場に相関関係は一切ない
ドルが弱くなると金が買われるなど、通貨ペアや金融商品によっては相関関係があります。
ですが、戦争は為替相場に強く影響は与えるものの、何の相関関係もないことを覚えておきましょう。
なぜなら、どの国とどの国が戦争を起こし、その国の戦闘力や戦争を始めた理由など、様々な要素によって為替相場はランダムに動くからです。
したがって、「有事のドル買い」という相場格言を忘れてください。
また、ある国が戦争をする情勢になると、一気に情勢が変わり、ボラティリティーが高まるので注意しましょう。
急にテクニカルが効かなくなり、あらゆる方向へとチャートが動くようになります。
なので、戦争しそうな怪しい情勢を相場から感じたらロットを下げ、チャンスの時だけ狙いを定め短期トレードで稼ぐことをオススメします。
昨今の戦争は数ヶ月程度で終わる場合が多いので、わからない相場は無理して手を出さず静観することも大切です。
そうすれば、戦争中でも稼ぐことは可能ですし、もしも戦争が終わってアメリカが勝てばドル高になる確率が高まるので、そのタイミングを狙ってトレードをするのもアリ。
まとめ:戦争と為替相場の関係性について
いかがでしたでしょうか?
今回は戦争と為替相場の関係性、リスクオフ・リスクオンについて詳しく解説してきました。
改めてまとめをお伝えします。
戦争と為替相場
- 必ずしも有事のドル買いにならない
- 米国経済に打撃がくるとドル売りになる
- 戦争が終わるとドル高になる
- 戦争前は市場が不安定になる
- 戦争前・戦争中はボラが激しくなる
- 戦争前後は短期トレードで稼ぐ
これらのことを意識してトレードすれば、「有事のドル買い」というバイアスが取れ、フラットに相場を観察できるので焦りがなくなることでしょう。
FXトレーダーになりたい人に最適な大手FX会社を紹介
FXを始める際に、当たり前のことですが初めに口座を開設する必要があります。
特にFX初心者の方から「FX会社を選ぶ際に何を重視して選べばいいんですか?」という意見が多く届きます。
稼いでいる勝ち組のトレーダーの意見をまとめると、9つの選ぶ基準があります。
FX会社を選ぶポイント
- 大手FX会社・大手証券会社を選ぶ
- スプレッドが狭い(手数料が安い)FX会社を選ぶ
- 口コミ・評判のいいFX会社を選ぶ
- 約定率の高いFX会社を選ぶ
- 海外FX会社は怪しいところが多いので要注意
- 有名なFXトレーダーが使用している業者を選ぶ
- キャンペーンが充実しているFX会社を選ぶ
- 注文方法・画面設定の種類、機能の使いやすさ
- 自己資本規制比率、証拠金の信託先、決算公開の有無、上場の有無
などが挙げられます。
勝っているトレーダーは、「デイトレード用」「中長期トレード用」「情報収集用」こんな風に、用途に合わせて3〜5つのFX会社を使い分けています。
その使い分けを判断するポイントとして、重要視しているのが上記の9つの基準です。
また、9つの基準以外はダイレクトにトレード成績に大きな影響がなく、機能面、サービス面も大した変わりがないので重要視していないということです。
大手で知名度が高く、口コミ・評判の良いFX会社はトレードがしやすいので、これは間違いありません。
一方で知名度が低く、利用者が少ないFX会社はサービス提供力が低いので、あまりオススメしません。(海外FX口座は尚更です)
下記では、上記でお伝えした9つのポイントから、スマートフォンでFXトレードができる大手FX会社をご紹介します。
DMM FX
> DMM FX
- FX初心者から上級者、幅広く選ばれているDMMFX
- 「もちろんスマホからでも取引可能」アプリで楽々トレードできる
- 世界第2の取引量を誇る会社なので、信託銀行で安全に管理
DMM FXは国内ナンバーワンのFX口座数を誇り、2020年のデータでは“800,000口座”を誇っています。
初心者トレーダー、会社員、主婦、大学など、多くの人選ばれ、一番人気のFX口座と言えるでしょう。
FXで1日1万円を稼ぎたいなら、入金時に数十万を入れ、ほどよい緊張感を保ちながらFXに臨んでみてください。
DMM FX利用者の多くはFXトレードを副業として成立させています。
LINE FX
> LINE FX
- LINE FXなら経済指標や相場急変動などの情報をLINEでお届け
- 通知を受け取ったらすぐに専用FXアプリで取引可能
- 嬉しいことに今なら口座開設時に最大5,000円プレゼント
FXトレードを始めるなら、LINE FXもススメです。
なぜなら、口座開設時に最大“5,000円”もの現金をプレゼントしてくれるため、そのお金を利用してトレードできますし勝てば出金することも可能です。
最近は本業以外にも副業としてFXをやられる方が増えてきたので、周りに乗り遅れないように、数千円でも数万円でもお金を稼ぎ、少しでも楽な生活を手に入れましょう。
まずは練習がてら自分のお金を使わず、キャンペーンのお金を使ってLINE FXを試してみてください。
みんなのFX
> みんなのFX
- ドル円スプレッドは業界最狭水準の『0.2銭』で提供
- ユーロ円、ポンド円、豪ドル円など主要通貨スプレッド業界最狭水準
- 今なら新規口座開設キャンペーンで、最大5万円キャッシュバック!!
一般的なFX会社だとスプレッドが広がりやすいですが、みんなのFXはスプレッドが狭いので、より大きな利幅を狙えるところが魅力的。
スプレッドが狭いと、約定ボタンを押した時にエントリーがずれにくく、かつエントリー直後に含み益になるメリットがあります。
普通は“1.0”ほどのスプレッドがありますが、みんなのFXはなんと“0.3”と業界最狭水準とあって、副業したい方にはピッタリ。
スキャルピングが本当にやりやすいので、月に数万円をFXで稼ぎたいと考えているなら、一番最適なFX会社です。